早実 雪山幹太 ~16年夏大以降に捕手へ、右打ちから左打ちへ転向~
早実と日大三の秋季大会決勝戦を神宮球場で観戦していると、実家に住む親父からLINEが届いた。「早実の捕手、雪山1年生は夏まで投手で右打ち、それを捕手、左うちに転向させたそうだ。監督。」と。どこからそんなネタを仕入れてくるのだろうかと思うほどの情報収集能力の高さ。さすが親父。
<親父からのLINE>
【監督発案】16年夏大以降に捕手へ、右打ちから左打ちへ転向
朝日新聞に掲載されていた。(以下抜粋・要約)
・16年夏大会で八王子高校に敗れた翌々日に監督から捕手への転向が指示
・中学時代は投手。監督は雪山の器用さに目をつけ、投手の気持ちもわかるからと判断
・打撃でも、8月上旬に「右打ち」から「左打ち」へ転向(小学生時代は両打)
雪山幹太のプロフィール
・神戸平野中学出身
・神戸中央リトルシニア
文元洸成(智弁和歌山・捕手)
早崎厚汰(智弁学園・内野手)
片岡拓人(浦和学院・外野手)
がシニアで同級生。
早実・雪山、捕手への挑戦 打撃でも右打ちから左打ちに(朝日新)
新チームが来春の選抜大会に向かって実戦を迎える秋になった。新しいレギュラーの台頭が期待される時期でもある。早稲田実では、今夏まで内野や外野をこなしていた1年生の雪山幹太が新しいミットを手に捕手への挑戦を始めた。
今夏の西東京大会は準々決勝で八王子に敗れた。翌々日、7月25日はグラウンドや合宿所を掃除する日だった。すると、和泉実監督から捕手への転向を促された。「全く考えていなかったので、驚きました。捕手は小学5、6年と中学1年の最初の1カ月ぐらいの経験しかなかった」と振り返る。だが、和泉監督は元々、雪山の器用なところに目を付けていた。「中学時代は投手だったから、動作も理解しているし、何より投手の気持ちがわかる選手だと思う」と和泉監督。雪山は神戸出身で、中学時代はリトルシニアに所属し、エースだった。早稲田実に入部してからは内野手を希望していたが、「レギュラーになるチャンスがあるならやるしかないと思った」と迷うことはなかった。
捕手は言うまでもなく守備陣の要で、「仕事」が多い。ワンバウンドの捕球や盗塁を阻止するための送球。そして、投手をリードしなければならない。この夏の練習試合では、投球を何度も後逸し、一回で代えられたこともあった。雪山は「当面の課題は捕球です。リードは古田敦也さん(元ヤクルト)の動画を見ています」と話す。
雪山の挑戦は捕手だけではなかった。8月上旬、右打ちから左打ちに変わった。これも、和泉監督の発案だ。打ちにいくときに体が投手方向に突っ込み、詰まることが多かった。「左のスイングの方が軸で回れている」と和泉監督。小学生のころは両打ちだった雪山は、言われた当日の練習試合で安打を放った。打撃練習でも右翼フェンスを越える打球を見せる。
チームは主将の清宮幸太郎、1年生4番の野村大樹を中心に強打者がいる。それだけに投手陣の成長が期待されている。9月3日にあった東京都大会1次予選の初戦。9番打者で先発マスクをかぶったのは雪山だった。試合は24―0の快勝。同じ1年生の石井豪、池田徹の2投手の球を受け、打つ方は4打席で3四球と凡退が一つだった。
「僕としては投手に気持ち良く投げてもらうのが理想です。1年生にも投手は多い。勝てるバッテリーになりたい」。今夏はベンチ入りできなかった雪山の目はやる気に満ちあふれている。(坂名信行)