シン・ゴジラ、見ました。
濃度1000倍って感じで、凝縮された物語が凄まじいハイテンポで進んでいきます。「3回見た」という人がいるのも納得。凝縮されたものを何度も確認しながら味わいたいというファンが出るのもうなずけます。
脚本・総監督 庵野秀明が、15年4月1日製作発表時に「こんな時代のこの国で日本を代表する空想特撮作品を背負って作る」というコメントを発表されていますが、まさにそれが見事に具現化されていると感じました。
追記:寺田学の「5年前の記憶の全て」をを合わせて読んでほしい。
見終えて感じたことを箇条書きでメモしておきます。
【感想】
・ゴジラ映画であるがゴジラを見る映画ではなかった。人によっては「ゴジラ」=「怪獣映画」=「子供向けエンタメ」と捉えるかもしれないが、全く異なる。じゃあなんだよ!とい言われてもうまく答えを返せないのでとにかく3.11を経験した皆さんは見て欲しい。
・ゴジラは容赦なく東京を破壊しまくる。ここまでするかというくらい破壊する。品川界隈や大田区なんかを縦断して破壊しまくる。「もうやめてくれ!」と思うほどに。それは3.11で見たあの「津波」のように人間では制御できないものが、ただひたすらに襲いかかる恐怖がある。
・3.11、福島第一原発、当時の危機管理の状況が強く意識されている。ゴジラがまるで3.11の津波のように見慣れた東京の街を襲う。シン・ゴジラからは放射能。ゴジラが通過した後は放射線量がアップし被曝する。最終決戦で自衛隊員などは防護服を着用し、シン・ゴジラに大接近して事にあたる。あの福島第一原発への応急処置(制御!)のように命がけで日本を守り抜こうとする。
・決められない政治家、複雑な意思決定システムに対する風刺を含む。大臣・政治家は重要な意思決定の場で、レクされた知識をただ披露するシーン。官僚のコメントペーパーを読み上げるだけのケースも。前例のないケースには官僚や政治家はボールを持とうとしない、決断が遅くなる。「誰に(どの省庁に)向かってその指示を出していますか?」 これらの描写に際しては、エンドロールで当時官房長官だった枝野さんの名前が出てくるので、制作にあたって枝野さんなどへの綿密な取材が行われたものだろうと想像する。
・私はエヴァンゲリオンはほとんど見たことがない。どこがエヴァンゲリオンかわからないが、おそらく「それだろう」という空気感はあった(テロップ、作戦名など)。
・石原さとみの英会話(AEON)がいい味を出している。発音が上手いとか下手とか評価ができる立場にないが、あの独特の「英語混じり日本語」(インテリ感やマウント感がうまく出ていた!)が、日本の政治家や官僚などを手玉にとる模様をうまく演出している。
・主人公の矢口(長谷川博己)が「ヤシオリ作戦」実行の前に、これから命がけでことにあたる自衛隊員に向けた演説シーンが見どころだ。矢口を「どアップ」にしたカメラワーク。国を背負うものの使命感、死ぬかもしれないものたちへの丁寧で力強い言葉たち。
・最終作戦。新幹線やJR電車が一斉に走りだし自爆(無人)するシーンがすごい。いきなり新幹線がゴジラに向かって走りだす。それでも倒れないゴジラ。さらに在来線たちが自爆攻撃に走る。見慣れた電車を武器にするという発想!そして見慣れた景色にリアリティを持って列車たちが脱線し、爆発炎上する。
・役者で印象の残ったのは、矢口プランを策定したチームメンバーの「尾頭ヒロミ(市川実日子)」と「安田龍彥(高橋一生)」。異端児たちのプロジェクトチームにあって、その「異端児」っぷりを好演した。(高橋一生を「バナナマンの日村に似てるな」と映画中に思ってしまった私がいる、映画の話とは関係ない)。
・自衛隊のヘリ、戦車、戦闘機の攻撃の緊迫感、リアリティ。いざ有事が発生したらあのように自衛するのだろうと想像しながら見た(心強くもあった)。自衛隊の内側の人が見たら何が正解で何が不正解か解説をして欲しい。戦車ってあんなに機敏に動くんだな。テロップには自衛隊の各広報班が協力をしている模様が見てとれた。自衛隊としても自衛隊の現状を広く国民に認知させるいい機会としているのだろうと想像した。
・政治家や官僚の決断。3.11は広く国民が「被災」した共通体験だ。自然災害は制御ができない。一方で「怪獣」はどうしたら制御できるのだろう、あの「怪獣」を。制御する!と強い信念・使命感を持ってことにあたる政治家・官僚・自衛隊・科学者たち。

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【ネタバレ】(あらすじ、以下ウィキペディア引用)
東京湾羽田沖で大量の水蒸気が噴出、同時に海底を通る東京湾アクアラインでもトンネル崩落事故が発生、政府は事故の原因を海底火山や熱水噴出孔として対応を進める。事前に事故現場の動画を確認していた矢口蘭堂(やぐち らんどう)内閣官房副長官は巨大生物が原因である可能性を指摘するも、一笑に付される。しかし間もなくして巨大生物が海上に現れ、多摩川河口から大田区内の呑川を這いずるようにして遡上、さらに蒲田に上陸し北上をはじめる。
巨大生物襲来という想定外の事態に、捕獲・駆除・排除などの方向性、自衛隊出動の是非などの問題から政府の対応が遅れる中、巨大生物は市街地を破壊しながら都心へと北上を続け、その途中で形状を変え、二足歩行をもはじめる。北品川まで迫ったところで自衛隊のヘリコプターが迎撃しようとするが、逃げ遅れた住民がいたため攻撃を中止。しかし巨大生物は突如侵攻をやめて東京湾へと戻っていった。

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100人以上の死者・行方不明者を出した巨大生物の襲撃後、次なる襲来に備えて、矢口を事務局長とした「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が設置される。被害地域には放射性物質による汚染が生じていることから、巨大生物は体内に原子炉のような器官を備えていると推測され、また、体内には未知の放射性新元素をももち、ヒトの8倍のゲノムサイズがあり、一個体で進化を続ける「人知を超えた完全生物」であることが判明する。また、米国との交渉から、数年前からこの生物の出現を予知していた日本人科学者・牧悟郎の存在が明らかになり、残された資料の中で「ゴジラ (Godzilla)」と命名されていたことから、以降その名で呼ばれることになる。巨災対では、ゴジラに専用の血液凝固剤を経口投与して、血流による熱排出を阻害することで活動を止める「矢口プラン」を立案、準備を進める。
前回の倍近い大きさとなったゴジラが、相模湾から鎌倉市に再上陸、都心へ向けて侵攻をはじめる。横浜市・川崎市を縦断し武蔵小杉まで侵攻してきたゴジラに対し、都内への再度侵攻を阻止すべく自衛隊が総力を挙げた迎撃作戦「タバ作戦」を発動するが、傷一つ付けることすらできず、突破されてしまう。大田区・世田谷区を経て目黒区まで侵攻してきたところで米軍の爆撃機が攻撃を開始し、はじめてゴジラに手傷を負わせるが、これまで人類の攻撃を無視していたゴジラが反撃をはじめ、背鰭から複数の光線を放ち、爆撃機をすべて撃墜する。さらに口から光線や火炎を放ってビルを破壊し、都心一帯を焼きつくす。そして、首相官邸から立川広域防災基地へと避難するところであった総理大臣らが乗ったヘリコプターも光線の餌食となり、総理以下閣僚11名が死亡する。
ゴジラは都心部を破壊したのち、東京駅付近で活動を停止した。巨災対は立川広域防災基地へと移管、総理大臣臨時代理も立てられ、矢口もゴジラ対策の特命担当大臣に任命された。国連安保理が東京への熱核攻撃を決議し、日本には住民360万人を疎開させるべく2週間の猶予が与えられた。巨災対はそれまでに矢口プランを実行すべく準備を急ぎ、その過程で、それまで放射性廃棄物を餌とすると考えられていたゴジラが、実は元素を変換する能力をもち、水や空気のみで生存・活動できることが判明する。それにより血液凝固剤をも無力化されてしまう恐れが出てきたが、牧の残した暗号化資料を解読した結果、ゴジラのその生体機能を阻害する極限環境微生物のデータが得られ、問題は解決した。そして矢口プランは「ヤシオリ作戦」という作戦名を与えられ、日米共同作戦として開始された。
ゴジラの足元へは、無人運転の列車を使った列車爆弾が次々と突っ込んでは自爆し、空からは無人航空機による爆撃が浴びせられた。さらに付近の高層ビルを、ゴジラにのしかかるように爆破・倒壊させることでゴジラを地に倒しては、建設機械の群団を頭部の近くに走らせて累計672キロリットルの血液凝固剤を口から流し込むことを繰り返し、遂にゴジラの凍結に成功する。
都心を汚染したゴジラの放射性物質は半減期が20日と短く、2 - 3年で影響がなくなるものと判明し、復興への道が開かれた。しかしゴジラはあくまで活動を停止したに過ぎないため、多国籍軍による熱核攻撃へのカウントダウンは残り58分46秒で「一時停止」のままで、万が一ゴジラが活動を再開した場合はカウントダウンが再開される状況である。東京駅のそばに立ったまま凍ったゴジラ、その尻尾の先から、人型をした謎の異形が数体生じているところを映して、本作は幕を閉じる。

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