陸王を読む。
池井戸潤の小説はほとんど読んだ。今回の陸王、「面白い」(けど)。けど、がついてしまう。どうしてだろうか。池井戸潤の作品に一気に引き込まれるのは、その軽快さと、主人公たちを邪魔する「悪役ども」を大逆転劇の末で破り、勝利?をおさめるストーリーの面白さにある。また、主人公の苦境を支援をする仲間たちの奮闘。
感想
さて、今回の陸王の「悪役ども」、今回でいうと大企業であり競合となる「アトランティス」の小原と佐山なんだが、嫌なヤツ度が低い(弱い)。んー、これを書いていて、今回の物語はそういう「大逆転でやっつけてやる!」っていう物語ではないのかもしれないなと。
宮沢の息子「大地」は就職活動の面接がうまくいかずに、悶々と日々を過ごしている。また、箱根駅伝などで脚光も浴びるもその後に怪我で結果を出せないでいる「茂木」。独自特許を抱えて夢をいただきながらも倒産した「飯山」。彼らが辛い日々を過ごしながら、「陸王」(足袋のノウハウを活かして作り上げたランニングシューズ)を通じて、もう一度、自らの人生を切り拓いていく、そんな物語。(やっぱり悪役は嫌なヤツ度をもっと高めにしてもらえると、もっと面白かったかなと勝手な感想)
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埼玉県行田市にある「こはぜ屋」は、百年の歴史を有する老舗足袋業者だ。といっても、その実態は従業員二十名の零細企業で、業績はジリ貧。社長の宮沢は、銀行から融資を引き出すのにも苦労する日々を送っていた。そんなある日、宮沢はふとしたことから新たな事業計画を思いつく。長年培ってきた足袋業者のノウハウを生かしたランニングシューズを開発してはどうか。社内にプロジェクトチームを立ち上げ、開発に着手する宮沢。しかし、その前には様々な障壁が立ちはだかる。資金難、素材探し、困難を極めるソール(靴底)開発、大手シューズメーカーの妨害――。チームワーク、ものづくりへの情熱、そして仲間との熱い結びつきで難局に立ち向かっていく零細企業・こはぜ屋。はたして、彼らに未来はあるのか?
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