【大記録】笠間高校野球部・藤田彪吾(投手)、1試合で26奪三振。高校球児(イケメンのロン毛)
2017年4月14日、春季高校野球・茨城大会で、1試合26奪三振という大記録(県新記録)が生まれました。26奪三振、つまり9回×3アウト=27アウト中26のアウトを三振にきってとったということになります。
大記録を打ち立てたのは、笠間高校野球部・藤田彪吾(投手)。高校球児にありがちな「丸坊主」ではなく、サラサラ・ロン毛ヘアーのいでたち。
この藤田投手の試合後のインタビューが、「欲がなくて」とても興味深く、好感が持てます。“普段は1週間で30球の投球練習、冬場はウェイトトレーニングはサボり。高校卒業後は、野球は続けない。”
昨秋は5校連合チームで出場し敗退。「夏もまず1勝を目指します」と控えめにコメントしています。
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●日刊スポーツによるインタビュー
−1回戦で26三振を取った実感はあったか
数が多いなあとは思っていました。でも、全部三振を取ろうと思っていたので。
−どうして
前に練習試合をやったことがあって、その時に5回で13個三振を取ったんです。三振は気持ちいいですね。
−普段はどれくらい投げ込むのか
1週間で30球ぐらいです。
−冬場はどんな練習を
投球はそこそこやりましたが、ウエートトレーニングはサボっちゃいました(笑い)
−高校卒業後、野球は
続けないと思います。野球関係の仕事というよりは理学療法士とかになりたいです。
藤田は50メートル走は5秒8の快足で、1番を打つ。余りある才能と天然っぷりが同居している。そんな、のらりくらりのイケメン右腕。本音はどこかにあるのかと思っていたら、これだった。「単独で出られて、勝ててたことがうれしかったんです」
●日刊スポーツ:1試合26奪三振!茨城でひそかに生まれた大記録
ひっそりと、大記録が生まれた。笠間(茨城)藤田彪吾(ひょうご)投手(3年)が、
14日の春季高校野球茨城大会水戸地区予選1回戦(対水戸桜ノ牧高常北)で県新記録となる毎回の26奪三振をマーク。64年夏に茨城・成田投手が上郷農(現・上郷)から奪った22三振の記録を更新した。
笠間市民球場で達成されたこの大記録を見届けた人間は、ごくわずかだった。
茨城高野連記録部の緑岡・上田英雄理事(48)は貴重な1人だ。
「スコアを見れば分かりますが、拮抗(きっこう)した試合で生まれた記録です。
追い風でしたが(藤田投手の)ストレートは走っていたし、バットにボールが当たっていなかった。
このすごい記録が50~60人の観客の中で生まれたんです」と証言する。新記録誕生にはさまざまな条件が重なった。上田理事は「コールドにならなかったこと、また(水戸地区の)県大会推薦出場校(水城、常磐大高)が出ていなかったこともあったと思います」と振り返る。
公式スコアを見て、いろいろと驚いた。
まず、26三振を奪っているのにスコアが6−3ということ。5四球で味方失策は2つ。相手4番の浅野投手にきっちり2本適時打をたれている。そして、26奪三振のうち振り逃げはわずか1つだけ。1イニングにどれだけ振り逃げがあるのかと思っていたが、全くの見当違いだった。
上田理事が「いい試合だった」というのもうなずける。
17日に行われた水戸工との代表決定戦を取材した。
藤田は先発したが、肩の状態が思わしくないこともあり、12安打6三振16失点(自責6)で5回コールド負けを喫した。それでも、縦横に投げ分けるスライダーで主軸から三振を奪い、力の入った高め直球で空振りを取った。大敗したが「新記録男」の片りんは垣間見えた。